昨日、久しぶりに山登りに出かけてきました。コロナウイルスのため、3月以来山登りを自粛していたので、約4か月ぶりのお山でした。
この4か月間は山にもスポーツジムにも行けず、普段の運動といえばたまにウォーキングをするくらいだったので、すっかり体力が落ちてしまいました。そのため、今回は県内・近場にあって気軽に登れる山にしようと思い、熊本県阿蘇郡西原村の一ノ峯(いちのみね)・二ノ峯(にのみね)を選びました。熊本市内から登山口まで1時間もかからずに行けるというのに、登るのは今回が初めてです。
長かった梅雨もついに明け、九州・熊本は猛暑続きとなっています。下調べしたところ、日影がほとんどなさそうな一ノ峯・二ノ峯。日差しを少しでも避けるため、朝早めに出発することにしました。
2020年8月2日(日)晴れ
まだ空が薄暗い朝の5時半、熊本市内の自宅を出発。
当初6時半頃には登山口から歩き始められると考えていました。ところが、登山道までは県道28号線から宮山という集落に入って民家の間の細い道を行かなければならないのですが、誘導の看板がほとんどなく、初めて訪れた私たちはすっかり道に迷ってしまいました。しばらくカーナビや地図とにらめっこ状態。
今回の山に備えてスマホにインストールしたYAMAPというアプリで、GPSを使って自分たちの現在地を確認し、なんとか登山口までたどり着くことができました。このアプリがなかったら、登山口にすら行けなかったかもしれません。YAMAPを準備しておいて本当によかった…
また、民家の中を行く細い道は私の普通自動車では通れそうになかったので、母の軽自動車で来て正解でした。もしかしたら他にいい道があるのかもしれません。こちらが登山口の駐車スペースの様子です。↓
後から分かったことですが、この先さらに進んだところにもう1か所登山口があり、そこから登った方が一ノ峯までは近いようです。次回はその登山口から登ってみようと思います。初めての山は分からないことばかり…ですが、色んな発見があることも登山の醍醐味です。
やっとこさ準備が整って、登山口を出発しました。正面の丘の向こうに一ノ峯・二ノ峯の頭がちょっとだけ見えています。気軽に登れると言っても、こうやって見るとなかなかの道のりがありそうです。
なだらかな坂の丘をしばらく登ったところで後ろを振り返ってみると、遠くに熊本市内、菊陽町、大津町の景色が見えてきました。昨日は空気が霞みがかっていましたが、熊本空港やパークドームなどの目立つ大きな施設は簡単に見つけることができました。送電線が繋ぐ何本もの赤白の鉄塔も、緑の原っぱと一緒になって一つの景色を作り出しています。
草が生い茂っているところでは、朝露で足元が濡れてしまいました。気になる方はゲイターを付けた方がいいかもしれません。私はショートパンツにサポートタイツという恰好だったので、タイツが膝の上までぐっしょり濡れました。
また、この緑の丘。なだらかな坂が続くかと思いきや、所々とても急な坂がありました。中には、急斜面すぎてふんばるふくらはぎが裂けそう!…みたいなところも。
それでも、基本的にはとても歩きやすい道で、気持ちよくハイキング気分で歩くことができました。
登山口から1時間程歩くと、前方に一ノ峯が近づいてきました。天気予報は「快晴」とのことでしたが、この時間の空は少し雲が多めで、うす曇りといった感じです。頂上に着くまでに晴れないかな…
一ノ峯に近づくにつれて、周りに大きな岩が増えてきました。なんだか、空から降ってきた隕石が地球に突き刺さっているみたいです。
進行方向右手を見ると、緑の草原が朝の太陽に照らされて鮮やかに輝いていました。春に行われる野焼きが作り出す、この独特で美しい風景に目も心も癒されます。私は熊本のこの草原の景色が大好きで、あまりの美しさに、少し進んでは足を止め、また進んでは足を止め…と、何度も見とれてしまいました。
一ノ峯の頂上にさしかかってきました。ちょっとした岩場という感じで、大きな岩がごろごろしています。でも慎重に登れば、決して危なくありません。岩場の途中で、花の蜜を吸うアゲハ蝶に出会いました。頂上までもう少し!頑張る元気をもらった気分です。
岩場を登り終え、一ノ峯頂上に到着です。
ここでやっと二ノ峯の全貌が現れました。二ノ峯の奥に見えているのは阿蘇外輪山の一部で、左側が俵山(たわらやま)、右側が冠ヶ岳(かんむりがたけ)です。写真に入りきらないので、ムービーを撮ってみました。
山頂をふたり占め。うぐいすの鳴き声に耳を傾け、山の上を流れていく雲を眺めながら、少しの間休憩です。
山頂に着いた時は周りの山を隠していた雲ですが、休憩をしている間にすっかり綺麗に晴れてきました。晴れるとさらに緑が明るく鮮やかになります。さあ、二ノ峯まであとひと踏ん張り。原っぱの道を再び歩き始めます。いつのまにか私たちの頭の上ではたくさんのとんぼが飛び交っていました。
二ノ峯への登りが始まった頃、後ろを振り返ると一ノ峯がまた違った姿を見せてくれていました。稜線歩きが好きな私にはたまらないこの景色!こんなに立派な稜線が見られる場所が熊本にあったなんて!これは私の「お気に入りの山」の仲間入り決定です。
あっという間に二ノ峯頂上に到着です。景色は抜群。一ノ峯の下に広がる草原は、きれいに整備されたゴルフ場の芝生みたい。寝転んだらふわふわ気持ちがよさそうです。外輪山の切れ間からは、阿蘇五岳の杵島岳が見えていました。
ここにも登山客はほとんどおらず貸し切り状態だったので、景色の良い場所でちょっと早いお昼をとりました。なんとも贅沢な時間です。
ここから俵山や冠ヶ岳に縦走するも可能です。しかし、私たちは体力がもつか不安だったので、今回進むのはここまでにしました。また次回訪れた際は是非チャレンジしたいと思います。
来た道をただ引き返してもいいのですが、下調べで巻き道の存在を知っていたので、二ノ峯を外輪山側に一度下って、その巻き道を通って帰ることにしました。
↓二ノ峯頂上から外輪山側に下っているところです。右手に見える分岐を右に引き返して、二ノ峯の下を通り一ノ峯方面に向かいます。
稜線上には二ノ峯から一ノ峯へ縦走していくたくさんのトレイルランナーの姿がありました。なるほどこのコース、トレランにもちょうど良さそうです。小さな男の子も大人に混ざって走っていました。元気だな~。私は歩くだけで精いっぱいだというのに、山道を走るなんてすごいです。
通る人が少ないのか巻き道は草がもさもさと生い茂っており、歩くのになかなか苦労しました。どおりで行きがけに巻き道がどこにあるのか気づかなかったわけです。
巻き道は二ノ峯と一ノ峯の間の道で一旦元の道と合流しますが、一ノ峯にも巻き道があるのでそちらを通ります。ここも分岐が分かりにくい…。でもこの道のお陰で一ノ峰に登り返す必要がありませんでした。
下りはあっという間。一ノ峯がどんどん小さくなっていき、代わりに見覚えのある赤白の鉄塔が近くなってきました。分岐を間違えると別の登山口に出てしまうので、しっかり道を確かめながら進みます。
登山口近くまで下ってきました。振り返って、改めて見る一ノ峯・二ノ峯は一味違って見えるから不思議です。
登山口に到着しました。休憩をたっぷりとりながら、のんびり写真を撮りながらの5時間の山行でした。
帰ってきた時にこの駐車場に停まっていた車はうちの一台だけ。やっぱりみなさん、この先のもう一つの登山口から登っているのでしょう。今回は知らずにちょっと長く歩くことになってしまいましたが、良い勉強・良い運動になりました。
熊本市内からも近く、山頂まで1~1.5時間ほどで登れる、そして立派な稜線を見ることができるなんて、私にとっては超お得な山であることが今回分かりました。次回はもう少し先の冠ヶ岳や俵山まで足をのばしてみようと思います。
久しぶりの山は大満足の山旅となりました。
今回の山旅では、YAMAPという登山アプリを使って、活動記録をとってみました。歩いたルート、タイム、距離、標高差などのデータを地図やグラフで確認することができます。また、歩いている最中に自分が今地図上のどこにいるのかも確認できて、初めての山を歩くのにもとても安心・便利でした。まだ全く使いこなせていませんが、色んな機能を使えるようになるとさらに活用できそうです。
こちらが今回の活動データです。↓地図をクリックすると、詳しい情報をご覧頂けます。
最後に、この山で出会った草花たちを紹介します。一見何もないように見える緑の原っぱですが、足元をよーく見ているとこんなにたくさんの種類の草花を見つけることができました。そのせいでなかなか前に足が進まなかった…笑 次はまた違う季節に登って、色んな植物を探してみようと思います。
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