九州にお住まいの登山初心者の方に、初めて登る山としてオススメするのは、くじゅう牧の戸コースです。私が登山を始めて最初に登ったのもこのコースでした。
牧の戸コースとは牧の戸峠からスタートしてくじゅうの山々へ登ることができるルートのことで、日帰りで登ることができる山には扇ヶ鼻(おうぎがはな)、久住山、星生山(ほっしょうさん)、天狗ヶ城(てんぐがじょう)、中岳などがあります。
私がみなさんに牧の戸コースをオススメするポイントは次の4つです。まずどの山に登ろうか悩んでいる方は是非参考にしてみてくださいね!
ポイント1.歩きやすい登山道
牧の戸コースは難所と呼ばれるような場所が全体を通してほとんどなく、ハイキングのような感覚で歩くことができます。小さな子供から大人まで楽しめる初心者向けコースです。
あえて難所を挙げるとするなら、牧の戸峠の登山口から約30分間ほどコンクリートの坂や階段、石段が続く区間です。張り切ってハイペースで登り始めるとすぐにバテてしまうことになるので、最初はゆっくりゆっくり呼吸を整えながら登りましょう。
階段を登り切ると、右手前方に阿蘇五岳が見える見晴らし台に出ます。ここから少しだけ岩場や小さなはしごを超えると、その後はなだらかなアップダウンの歩きやすい道になりますので、最初だけちょっと頑張ってくださいね。
ポイント2.分かりやすいコース
森の中を歩くようなコースでは、自分がどこにいて、これからどう山を登っていくのかが分かりにくいのですが、牧の戸コースでは視界が開けた道を歩いていくため、これから自分が歩いていくルート・歩いてきたルート確認しながら歩くことができます。 そのため、道に迷うことはまずありません。(注意:天候次第で、霧が濃かったり、吹雪いたりしたら道が見えなくなることもあります。)
また、この登山道は登山者向けに良く整備されていて、道を間違えやすい場所にはロープを張って先に進めないようにしてあり、分岐点には必ず標柱が立ててあります。どちらに進んだらいいか分かりにくい岩場には黄色のペンキで岩に大きな●が描いてあるので、それらを目印に安心して登ることができます。
写真中、山の中で白くなって見えるところが登山道です。歩いてきたコースが見えることで、「あの道を通ってここまで来たんだ~!」と達成感を得られるのも嬉しいですね。
ポイント3.レベルに合わせた目的地が設定しやすい
最初に述べたように、牧の戸峠から日帰りで登ることができる山には扇ヶ鼻、久住山、星生山、天狗ヶ城、中岳などがあります。牧の戸コースの良いところは、自分のレベルやその日の体調に合わせて目的の山を設定しやすい点です。
牧の戸コースの山の位置関係は、大まかにこのようになっています。(本当に大まかに位置関係を描いただけですので、実際に行くときは正式な地図を確認してくださいね。)牧の戸峠から一番近い扇ヶ鼻でコースタイム片道1時間45分、一番遠い中岳でコースタイム片道2時間50分の道のりです。
例えば、登山を始めたばかりで、あまり遠くまで行って帰ってこれなくなったら不安だという方は、まず扇ヶ鼻までを目標に歩いてみましょう。2回、3回と経験を積んで、次は星生山、次は久住山、次は中岳まで挑戦してみよう!と少しずつ歩く距離をのばすうちに、自分の足に自信がついていきます。
さらにレベルアップを目指したい方や、一つの山だけでは物足りないという方は、牧の戸峠→星生山→久住分かれ→久住山→御池巡り→中岳→天狗ヶ城→久住分かれ→牧の戸峠というように、分岐をうまく使って、縦走してコースを広げることで更に距離を延ばすことができます。
コースの全体像を把握して、上手にレベルアップに利用してみてくださいね。
ポイント4.山の中にトイレがある
久住山や中岳、その他のルートへの分岐点である久住分かれには、なんとありがたいことにトイレが設置されています。牧の戸峠から2時間ちょっと歩いたところです。
山の中に入ると、普通トイレはありません。山小屋に泊まるならそこに着くまで、日帰りなら登山口かその近くのトイレまで我慢するしかありません。どうしても我慢できない時は、山の中で用を足すことになります。山には行ってみたいけど、トイレのことが気になって、中々行きだせないという方もいるかもしれません。そんな方もコースの途中にトイレがあると分かれば安心ですよね。
清掃協力金として備え付けのボックスに100円を入れることになっています。山の上のトイレの管理は大変です。管理をしてくださっている方への感謝の気持ちを込めて、100円をお支払いしましょう。
まとめ
このように、くじゅうの牧の戸コースは初心者が登山の経験を積むのにぴったりのコースです。山は季節ごとに姿を変えるので、何度訪れても毎回違う景色を楽しむことができます。、何回も何回も登って、自分のものにしてしまいましょう!
番外編 朝駆けのコースとしてもオススメ!
牧の戸コースは道は歩きやすく、道に迷うようなポイントが少ないため、山頂でのご来光を目指して夜中の暗い中歩き始める「朝駆け」にもオススメのコースです。
昼間の時間帯に何度も登って、コースの全体像や山頂までの道のりが頭に入ったら、是非挑戦してみてくださいね。