九州の山

【登山レポ】2021/08/29 雲海からのご来光を拝む 熊本阿蘇 杵島岳・往生岳縦走

 お盆休みは山に登りまくろうと思っていたのに、これでもか!!というくらいの大雨が降り続いて、結局どこにも登れずじまい。土日も雨続きでしたが、8月最後の週末にやっと晴れてくれたので、1か月ぶりに山にでかけてきました。

 行き先は私の地元・熊本が誇る、阿蘇杵島岳(きじまだけ)と往生岳(おうじょうだけ)。杵島岳は阿蘇五岳の一つです。

     暑い日中は歩きたくない… まん防中なので県外には行きづらい…

 それでは、サクッと近場で朝駆けを!という理由でのチョイスです。

 久々の朝駆け。2:00起床。3:00熊本市内を出発。5:50頃の山頂でのご来光を目指します。

杵島岳

草千里 霧の闇からのスタート

 スタート地点となる草千里へ向かう阿蘇登山道路の途中から、車の数メートル先も見えない程の深い霧に囲まれました。天気予報は晴れだったのに、ぽつぽつと小雨も降っています。

 4:00過ぎ。草千里駐車場に着いて車の外に出ると、星も月も見えない…。このまま歩くと服が濡れてしまいそうなので、まさか着るとは思っていなかったカッパをザックから取り出して上下とも着用。おでこにはヘッドランプを装着します。

 準備を整えて4:40、晴れることを信じて、真っ暗闇を歩き始めました。

コンクリート急登・階段地獄

 杵島岳山頂までは30~40分の道のり。距離としては大したことありませんが、コンクリートで舗装された坂道と階段が続きます。

 下ったことしかなかったこの道。登りはとてもきつい…。進むにつれて、傾斜がどんどんきつくなっていきます。自分の体の傾きが半端じゃないことに、笑いが出てきます。

 そして、霧で湿度が高い上にカッパを着ているために、カッパの下はムシムシ。不快度MAXです。

 そうしている内に、少しずつ空が明るくなってきました。まだまだ霧が晴れる様子はありません…。

杵島岳山頂 到着

 5:10、コンクリート階段地獄をクリアし、杵島岳山頂に到着しました。日の出まであと40分という時刻です。

 こんな霧の中だし、さすがに誰もおらんど~…と思っていたら、既に10人ほどの先客が!!皆さん三脚を立てて、スタンバイ中です。

 密にならない位置に私たちも場所取りをし、一息ついていたときです。霧が晴れ始めました!

 霧が晴れてみれば、そこには雲一つない空。周りは美しい雲海で囲まれていました。不安だった気持ちが、一気に興奮へと変わります。

 風でガスが流れるので、刻一刻と景色が変わります。ガスが舞い上がり何も見えなくなったかと思うと、次の瞬間、ものすごくクリアに高岳・中岳が見えたり。その度に皆さん、しきりにシャッター切ります。

 そうして過ごしているうちに、どんどん空は明るく、赤くなり、ついに待ちに待った瞬間がやってきました。

 5:50、ご来光の時です。

ご来光・雲海・ブロッケン

 なんとも言えない感動の瞬間です。霧の中諦めずに登ってきてよかった~!!!

 陽の光を受けると、足元の草花たちもキラキラと輝き始めました。

 会話こそ交わさないものの、そこのいる人たちみんなで感動を共有していました。

 そして、朝日の中でそれぞれが思い思いの時間を過ごします。

 ふと後ろを振り返った母が、突然「見て!見て!」と叫びます。

 そこには、うっすらと架かる白い虹が!!

 山頂の標柱との比較でその大きさが分かるかと思います。一部虹色に見えたところもありました。太陽と反対方向に見えたのでおそらくブロッケン現象だと思いますが、こんなに大きなものを見るのは初めてでした。


 ご来光の感動が落ち着いてくると、お腹がすいていることに気づきました。ここで朝ごはんにすることにしました。

 汗で冷えてしまった体には温かいものが一番!ということで、今日はカップラーメンです。山で食べるものはカップラーメンでも何でも特別に美味しくなります。朝日に照らされながら食べるご馳走です。

往生岳

杵島岳の御鉢から一旦下りへ 再びブロッケンとの遭遇

 エネルギーチャージを終え、次は往生岳を目指します。往生岳に登るのは今回が初めてです。

 杵島岳から往生岳に登るには、まず杵島岳の御鉢を半分ほど歩きます。

 朝ごはんを済ませているうちに、辺りはまた霧の中に入ってしまいました。足元はまだ朝露で濡れているので、カッパは来たまま歩くことにします。

 少し歩くと右下の方に火口跡が見えてきました。

 往生岳に登った後は、あの周りをぐるっと歩いて帰る予定です。真ん中にぽこっとあるのが、なんだか外輪山に囲まれた阿蘇五岳みたいに見えます。同じような原理で出来た地形でしょうか??だとしたら阿蘇全体のカルデラはとんでもない大きさです…。

 また、母が「○○ちゃん!○○ちゃん!見て!」と私の名前を呼びました。

 今度は左手下、杵島岳の御鉢のくぼみに溜まったガスにブロッケンが再び現れました。長く伸びた自分の影の先に、丸い虹が出来ています。なんとも不思議な現象です。

 ブロッケンが見れたのはわずか数分間で、あっという間にガスがなくなってしまいました。1日に2回もブロッケンを見れるなんて、とてもラッキーです。

 ガスが晴れて、周りの山がはっきりと見えるようになりました。緑が深く、鮮やかです。

 杵島岳の御鉢を半分ほど進んだところで、往生岳が見えてきました。

 なだらかな形をした丘が3つ。まるでくじゅうの三俣山みたい。大きさは全然違うので、ミニ三俣ですね。

 ここから一気に杵島岳を下ります。

 段々と日が高くなり、日差しが強くなってきました。朝露も乾き始めたので、ここら辺でカッパを脱ぐことにしました。

杵島岳から往生岳へ

 また登りか~…と少し憂鬱な気持ちでしたが、杵島岳とは違って舗装されていない普通の山道で、かつ傾斜もあまり急でないので、登りやすい道が続きます。あっというまに丘の上までやってきました。


 カッパを脱いだは良かったのですが、やはり足元は少し濡れてしまいました。先日せっかくワックス加工をしたヌバックレザーもご覧の有様です。もう少し防水性が足りないみたいです。帰ってからもう一度お手入れをすることにします。

往生岳山頂 到着

 ニセ頂上には騙されましたが、往生岳頂上に到着しました!

 頂上にいる間は残念ながらガスに囲まれ、眺望はありませんでした。少しだけ休憩をして、元来た道を戻ります。

往生岳を下山 火口跡の御鉢巡りへ 

 緑の草原には、色々な花が咲いていました。爽やかな風に吹かれて気持ちが良さそうです。


 往生岳を下ってくると、杵島岳と往生岳の間の鞍部近くに火口跡へ向かうショートカットコースへの分岐があります。この道を使うと杵島岳を登り返さずに済みます。ピンクテープを目印に左折します。

 アザミのチクチク攻撃と闘いながら、火口跡までやってきました!まさに火山活動の歴史といった景色です。タモリさんに見せてあげたら喜んで分析を始めそうです。

 ここから地獄の藪漕ぎが始まりました。

 足元にはアザミ。そして背丈を超えるような草をかき分けて進んでいかなければなりません。それも、結構な距離でそれが続きます…段々足と顔がかゆくなってきました。ストックで前をかき分けながら、なんとか進みます。

 緑の中にも、ススキワレモコウなど秋の訪れを感じさせる植物が見られました。風も爽やかで、秋風といった感じです。

藪漕ぎの火口跡を抜け、再び草千里へ

 やっとこさススキの藪を抜け、見覚えのある杵島岳のふもとに戻ってきました。草千里も見え、ゴールはもうすぐそこです!藪漕ぎを終えた後の解放感に浸りながら、舗装された道を歩きます。

 霧の中を歩き始めた時はどうなることかと思いましたが、終わってみれば雲海あり、ご来光あり、ブロッケンあり、ダイナミックな火山の景色ありの大満足の山旅となりました。

 ルートも分かったことだし、いつか烏帽子岳・杵島岳・往生岳の三座縦走に挑戦してみようかな…?

おまけ ご褒美の赤牛バーガー

 帰り道は、南阿蘇河陽地区にあるデノリーズダイナーさんに寄り道。一度ここの赤牛バーガーを食べて以来ファンになり、阿蘇に登った帰りには毎回のように立ち寄っています。

 注文してからお肉を焼かれるので少し時間はかかりますが、その代わりに焼きたてアツアツジューシーな赤牛バーガーを食べられます。森の中にひっそりと建つ、アメリカンな雰囲気が素敵なお店で、とってもおすすめです!

 今日も頑張った自分にご褒美!


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YAMAP活動データ

 今回のYAMAPデータはこちらです。地図をクリックすると、詳しい情報をご覧頂けます。

雲海!☁ご来光!🌄朝駆け杵島岳・往生岳 / COCOさんの往生岳杵島岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

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